別れてからの、ふたりぐらし 04





「そろそろ伏黒と釘崎が戻って来る頃だから、俺は先に寮に帰るよ」

空腹も満たされ、店を出てスマホを確認した虎杖は、そう言ってふたりを振り返った。

「僕は今日は戻らないと思うから、好きにしてて良いよ。あ、そうそう。明日は実技の授業するから、トレーニングはしておくこと。内容は任せるけど、無理はしないようにね」
「わかった。ふたりにも伝えとく」
「気をつけて帰るんだよ」
「うん、さんもね。それじゃ!」

手を振って駅の方へ走って行く虎杖を見送って、残された大人ふたりは不意に沈黙する。
振り返していた手を下ろして、は小さく息を吐いた。

「五条」
「ん?」
「あの子、噂の『宿儺の器』だろ?」
「うん」
「思ってたのと違う。素直で良い子だな」
「でしょ? 僕の自慢の生徒だよ」
「御三家のクズどもに爪の垢煎じて飲ませてやりたいくらい」

鼻で笑って吐き捨てるの反応に、五条はくつくつと笑う。

は相変わらず御三家嫌いだねぇ。うちも御三家なんだけど」
「お前はもう色んな意味で規格外だから数に数えてないよ。当主のワンマンチーム状態っていうのが、後で何かありそうでキナ臭いけど。
 まあ、クズなのは変わらないけど、加茂家(うち)はまだ禪院家よりは多少はマシだけどね。あそこはマジで酷い。…真希は元気?」
「元気にやってるよ。また強くなった。術式無しならといい勝負になるんじゃないかな」
「呪力無し、じゃなくて術式無し、かぁ…いつ追い越されてもおかしくないな。後輩が力付けてくのは案外嬉しいもんだね」
「ねー」

会話をしながら、流れるようにタクシーを止めてふたりはそのまま乗り込む。
行き先を告げて、走り出す車両に揺られながら、ふたりの会話は続く。

は明日から特別講師なんだから、二年の方も面倒見てやってよ」
「…だからお前がそういう話をするなと…だいたい、アルバイト講師に何を期待してますか? 呪力コントロールなら私には教えられねェよ」
の呪力コントロールは体質に寄るところが大きいからね。そこは端から期待してない。
 に頼みたいのは実技の方。もう少し具体的に言うと、彼らには一段上の連携を覚えてもらいたい」
「個々人の地力上げた方が良くない? お前、そんなに連携大事って思ってねェだろ」
「まぁねー。もちろん個人の地力上げは最優先かつ必須課題。でも現状で格上と戦うには、連携も必要不可欠だ。誰と組まされるかわかんないし、相手によって臨機応変に対応出来るようになってもらわないとね」
「格上、ねぇ」

最近、未登録の特級呪霊が連続で出没しているという話は、呪術師の間では既に共有されている情報だ。
それに対応できるように学生たちを鍛えたい、あわよくば早々に昇級させたい――という意図なのは、まあにもわかるが…

「でもそんな都合良く上級呪霊を祓う任務とか用意できる? 五条や私に回される任務を活用するにしても、あんまり無理言って伊地知苛めるなよ」
「一番良いのは実地だけど、まあそう都合よくはいかないだろうね。
 だからこその実技訓練だ。たとえば僕とを同時に相手にした時、あの子達がどういう連携で来るか見たい」
「えー…それって、つまり、お前と私のふたりを相手にしてチームで条件クリアしろ、って話? だいぶスパルタだな、それ…」

それはある意味、呪霊を相手にするよりキツいのではないだろうか。
勝つまでやれ、だったらまず彼らは課題を終えられない。そこまで無茶ぶりはしないだろうが、では何をするのか。

「それより京都校に協力してもらえば? 前例無いけど、あっちとしてもそう悪い話じゃないだろ」
「あー、無理無理。許可下りないって。あっち楽巌寺学長の影響でガッチガチの保守派だもん、僕と相性最悪。やろうと思えば無理に通すことは出来るけどさ。…あれ? って今年の交流会で起こったこと知らないの?」
「知ってるけど。学生同士の交流なら歌姫先輩止まりでも良いでしょ、…あ、そうか…お前、歌姫先輩に嫌われてるもんな」
「え? なんで?」
「え…嘘でしょ自覚無いんだ…」

煽り耐性の無い生真面目な歌姫と、そんなことは知ったことじゃない五条では、相性が悪いのは仕方ない。
敵が多いと大変だねぇ、などと自分のことを棚に上げては独り言のように呟く。

「正直、僕と連携取れる術師なんてそう多くないからね。良いよねぇ、ある程度好き勝手に動いても合わせられる相手」
「あー、まあ。付き合い長けりゃどうとでも…」
「良い時期にを引っ張ってこられて良かったよ、僕だけじゃあどうにもね」
「…その発言からして私がこっちに来ることになったのがお前の仕込みと確定してなんかイヤだな」

少しばかり、は考え込む。
は肉弾戦タイプの術師だが、その身体能力は呪力頼りだ。素のフィジカルでは真希や虎杖には及ばない。
そうなると、はたして手加減をしていなせるかどうかは――

「………真希と虎杖相手だと、私もちょっと自信ないな。下手すると殺しかねない」
「…ってそういうところ野蛮人だよね。上手く手加減してよ」
「言うに事欠いて野蛮人とか。仕方ないだろ、普通の術師みたいに呪力を出したり引っ込めたり出来ないんだから」
「強弱のコントロールは出来るだろ。頭に血が昇るとその辺が疎かになるのは悪癖だから最優先で直せっつったろ、まだ直ってないのかよ」
「そんな簡単に直らんわ。なんでいちいち上から物言うんだよ」
「面倒くさがりのくせに戦闘狂ってなんなの、扱い辛い」
「うるせェわ。誰が戦闘狂だ」

つい先ほど、電車の手すりを破壊したことを考えればあまり言い訳出来る状況に無いが。
若干身に覚えがあるので、は話題を変えようと車窓から外に視線を移してから、頷く。

「ところで家電なら秋葉原かと思って走ってもらってるけど、良いの?」
「どこでも良いよ、に任せる」
「………」
「なに?」

急に黙り込んだに、五条は首を傾げる。
対して、は若干困惑したように顔を顰めた。

「…いや、言っておいてなんだけど…毎回なんでも金出してくれるの、なんか怖い…」
「オマエさぁ…」
「他に友達いないから感覚変なの…? 騙されたりしない? 大丈夫?」
「…この場合、僕が騙されているとしたら、が騙していることになるんだけど。騙してるの?」
「なんで私が? 騙すように見えるの?」

心底不思議そうに首を傾げるに、五条は呆れたように目を細めた。
しかしそれは一瞬で、すぐに何か悪戯でも思いついたように笑う。

になら、騙されても良いよ」
「…………頭沸いてんの?」
「…いや、あのさ。もうちょっと、こう、あるだろ。適切な反応ってもんが」
「適切な反応をお前に要求されるとは思わなかった」

鈍いというより、テンプレートに当てはまらない反応である。
悪口には反応するのに、こういうのには無頓着なのもどうなのか。

と話してると、コイツひとの話ちゃんと聞いてるのかな、って思うときあるわ」
「私は常に思ってるよ。人の都合関係なく好き勝手喋ってるお前についていける奴、そういないわ」
「合わせてくれてんの?」
「なんでそんなポジティブなの?」
「割と心が抉られるんだけど。もうちょっと優しくしてよ」
「誰に対して言ってんの? 私だよ?」
「…それもそうか。はイカレた変人なところが持ち味なんだから、ただの優しくて可愛い女だったらそれもうじゃねぇわ」
「すごい! なにひとつ褒められてない!」

ひとの内面を手放しで褒める男ではないことは充分わかっているが、「イカレた変人」はちょっと酷いんじゃないか。
…いや、そもそも「術師は総じてイカレてる」が持論の男だ、誉め言葉のつもりなのかもしれない。

は見ていて退屈しないねぇ」
「私は珍獣か」
「僕はのそういうところ、好きなんだけどね」
「………アリガトウ」
「なんで嫌そうな顔だよ。少しは照れろよ」
「なんでだよ」

珍獣扱いの上で好きなどと言われても、照れる要素が何一つない。
都合の良い言葉だけ抽出したところで、長い付き合いなので言葉そのままの意味で受け取るほど、の頭は花畑ではなかった。

「私とか硝子辺りは良いけどさ…あんまりそういうこと、女に軽々しく言わない方が良いよ。後で絶対面倒なことになるから…」
「誰にでも言うわけじゃないんだけど。それじゃあただのクズじゃん」
「お前クズじゃん」
「真顔で即答とかやめろ。傷つくだろ」
「またまた」

本気とも冗談とも取れる五条の言葉に軽く笑って、は目を細めた。
そして、どこか淡々とした声音で、言い放つ。

「五条は、私の言葉なんかに左右されないよ」

返されたのは、沈黙だった。
時間で言えば、ほんの数秒。
黒いサングラスの向こうにある五条の表情は、には見えない。

「…オマエそれ、本気で言ってる?」
「事実だろ?」

否定でも肯定でもないの返事に、同じく否定も肯定もせず、五条は深く息を吐き出した。

ってほんと、性格悪いよねぇ」
「お前にだけは言われたくねェなァ」
「いやぁ、いい勝負だよ」

言ってから、「あ!」と何か思いついたように声を上げる五条に、驚いたの肩がビクッと跳ねた。

「性格悪い同士で僕達お似合いじゃない!?」
「お前は何言ってんだ…」
「普通に引くなよ悲しくなるだろ。元カレ・元カノの仲じゃん、つれないなぁ」
「そうですよ、お別れしたんですよ五条クン。つれたらおかしいでしょ…」

冗談の趣味が悪い。
苛立ちとも違う、どこか虚無感にも似た妙な感覚を覚えながら、は気を紛らわせるように外を見る。見慣れた電気街が視界の端に映り込んだ。

「…あ。アキバ着いた。ヨドバシどこだっけ」
「中央改札口方面」
「すみません、中央改札口辺りで降ろしてください」

運転手にそう告げて、指定した場所で降りる。
相変わらずゴチャゴチャした街だな、と考えながら軽く体を伸ばす。

「よし、行くか」
「そういえばさぁ。ここのレストラン街にパンケーキの美味しい店があって」
「え。さっきプリン食べたじゃん、行くの? いいけど」
「酒飲みの割に甘いもの好きだよね、。酒飲みながら饅頭食べるタイプでしょ」
「バッカ、お前、日本酒と餡子の相性の良さ知らねェの!? 一回やってみろよ、世界が変わるから!」
「やだよ。酒美味くないもん」
「美味いって言ってんのに!」
「はいはい。しょっちゅう二日酔いで青い顔してるくせによく飲むねぇ」

つい数時間前にも、醜態を晒したばかりである。
それでも、苦虫を噛み潰したような表情で、は絞り出すように言い返す。

「大人には、酒飲まないとやっていけない日も、あるんだよ」
「大して強くない酒飲みがよく言うやつだねそれ。普通に飲む分にはいいけどさ、そもそも限界超えて飲むのが問題なんだよ。って馬鹿なの?」
「ぅぐ…っ」

珍しく正論だった。
暫く唸って、結局言い返す言葉は浮かばず、は独り言のような声量で文句を言うしかなかった。

「…別に、飲み屋で潰れて転がってたわけじゃないし…自力で家まで帰って来てるんだから別に良いじゃん…」
「は? ………店で潰れたことあるの?」

五条の声のトーンが下がった。
藪蛇だったか、と反射的には自分の口元を覆う。出てしまった言葉は今更戻せないが。

「…………」
「あるんだな?」
「い、1回、1回だけ。特に何もなかった、親切な人が助けてくれたから!」
「………オマエ、知り合いと一緒じゃないときは外で飲むの禁止」
「!?」

予想外の反応に、は思わず勢い良く五条を見上げた。
表情は普段通りだが、漂う空気に呆れを通り越して苛立ちを感じる。

「いい歳した大人の女が酔って潰れて見ず知らずの他人に介抱された? マズイだろそれ」
「昔の話だよ!」
「いや、絶対に今でもやるよね。ポンコツ過ぎない?」
「そこまで言われるほどか!?
 そもそも五条が私の私生活に介入してくるのは何か違うのではないかな!」
「介入って。心配してるんだよ」
「え」
「…って言ったら信じる?」

冗談のような、茶化すような言い方では、あったが。
この流れでそれは、逆に不自然だった。

「…お前さ、それはちょっと狡くない? …わかった、気をつける…」
「気をつけるんじゃなくて行くな、って言ってるんだけど話聞いてた? …まあ、こっちに居る分には硝子達が面倒見るだろうし、良いか…」
「…五条に私生活を心配されるとか…これを機に生活見直そ…」
「本人前にして言う? それ」
「それこそお互い様だろ」

『友達』であるなら、その程度の心配も別に過剰ではないだろう。五条は基本的には他人を気遣ったり空気を読むより自分の都合を優先するが、懐に入れた相手に対して若干甘くなるのは昔からだ。

「…なんか何しに来たのか忘れちゃったよ」
「忘れるなよ、電子レンジだろ。ホラ、そんな話をしている間に家電売り場に到着したよ。好きなの選んで」
「スーパーのお菓子売り場じゃねェんだからさ…それどうなの…」

会話の遷移が怒涛過ぎて、慣れていても若干戸惑う。
しかし、も先程の話を掘り下げる気はない。促されるままに売り場を確認して、電子レンジのエリアを歩く。

「…今更、仕事以外の真面目な話なんてして堪るか」
「ん? なに?」
「なんでもない。…電子レンジね…温められればそれで良いと思うんだけど…」
「機能が多いに越したことはないでしょ。面倒なら一番高いので良いよ」
「そういう買い物の仕方はどうかと思う」

こういった店の商品で一番高価なもの、といってもたかが知れている。
だからといってそんな雑な買い物の仕方は、感覚的には庶民であるには少し受け入れ難い。

「好きな色とかで決めれば?」
「うーん…」
「くだらないもん買うときは即決じゃん。なんでこの手のやつはそんなに悩むの?」
「言い方!」

くだらないもの、と断じてくるのはどうなのか。
こいつは今日も絶好調にクソヤロウだな、と軽く頭痛を覚えながらは棚に視線を戻す。

「あー…んー…強いて言うなら見た目はこれ。TOFFYのやつ」
「なんかレトロだな」
「可愛いじゃん」
「可愛いかどうかはわからないけど、がこれが良いなら良いんじゃない?」
「聞いておいてそれ…」

興味が無いなら訊かなくても良いだろうに。
げんなりしているに構わず、五条は店員を捕まえて購入手続きを済ませる。
手慣れてるなぁと眺めていると、五条はの方を振り返った。

「他は? 何か見る?」
「んー…………あっ、ワインセラー欲しい」
「酒から離れろよ。また説教聞きたい?」
「嫌です。わかった、疲れたのでお茶にしましょう五条クン!」
「何がわかったんだか」

あからさまに話を逸らし、は足早に上の階へと向かう。
逃げるように歩き出して、それでもすぐ追いかけてくることを確信している矛盾に、気づかないふりをして。




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用事を済ませてふたりがマンションに戻って来たのは、夕方になった頃だった。
まだ慣れない新しい住まいに到着したとき、違和感に首を傾げた。玄関に人がわらわらいる。

「な、なに、あれ。部屋間違えた?」
「ああ、あれ。うちの連中」
「なんで居るの!?」
「僕の荷物運び込んでもらったの」

言われてみれば、一緒に住むなら相応の準備は必要だ。
それはわかっているのだが、せめて一言あっても良かったのではないのか。大人として『ほうれんそう』は大事だと思う。

「ご苦労さん」
「万事滞りなく完了しております。ご指示通り、様のお部屋も手を加えさせていただきました」
「うん。問題なく終わって何より。じゃ、帰って良いよ。しばらくこっちに居るけど、定期的に顔出すから」
「承知いたしました。それでは…」

何か今、聞き流すには問題のある言葉が含まれていた気がする。
会釈して帰っていく背を見送りながら、は困惑しながら五条を見上げた。

「…え? なに? え??」
「あまりにも生活力無さ過ぎてビックリしたから、まあ諸々と用意をね。の部屋も手を加えさせたから確認しておいて」
「オイ! 勝手になにしてんの!?」

慌てて部屋に駆け込んで、寝室のドアを開ける。
適当に置き去りにされていた荷物はダンボールから出され、綺麗に整頓されていた。それだけならまだ良い。
クローゼットを勢い良く開けると、見知らぬ服が並んでいた。

「服が増えてるー!?」
「ご自由にどーぞ」

クローゼットに並ぶ服を恐る恐る手に取って、はぞわっと総毛立った。…教えてないはずの服のサイズが合致している。怖い。

「なんでサイズ知ってるの怖っ!? お前の趣味の服を着て生活しろってこと!?」
「オマエそのタイプの服好きだろ」
「把握されてるのが余計に怖いわ! お前の金の使い方おかしいよ!」
「腐るほどあるから~」
「腹立つ!!」

バタンッ、とは思いっきりクローゼットを乱暴に閉めた。
そのままゴンッ、とクローゼットの扉に頭を打ち付ける。

「…なんだろう…なんか、こう、泥沼に引き摺り込まれているような…漠然とした不安が…」

ただの出張。少なくとも、はそのつもりだった。
昇級の話は寝耳に水だったが、ルームシェアの話は偶然起こった珍事。その認識に間違いはない。はず。
…はずなのだが、もしかしてこれも仕組まれた何かなのだろうか。

「クローゼット向かって喋っても誰も答えてくれないよ」
「ひぇっ」

急に耳元で聞こえた声に驚いて、変な声が出た。
この距離感だと、振り返ると色々まずい。本能的に察知して、は手をパタパタ振り回した。

「距離が近ェ! さっきからお前なんなの!? 離れて離れて!」
「なんか扱いひどくない?」

不満そうにそう言いつつも、離れる気配には胸を撫で下ろした。今のはさすがに心臓に悪い。

「荷解きも終わったし特にやることもないでしょ、映画でも観る? 色々あるよ」
「は? テレビは…………なにそのデカいテレビ!?」

振り返ると、殺風景だったリビングには、店頭展示でしか見ないような大型テレビが鎮座していた。

「なに、って。映画見るなら画面は大きい方が良いでしょ」
「いや、そうだけど、そういう話じゃねェんだわ…」

家賃はお前が持て、と言ったのはだ。今は五条の家でもあるわけだから、自由にするのは当然の権利とも言える。それは理解出来ているのだが。
勢いでルームシェアを了承したのは、やはり、浅はかだったのではないだろうか。

「…こっち来て2日目だけどもう帰りたい…」
「今更何言ってんの」

軽く笑って、五条はの腕を掴んだ引き寄せた。
が反応するより一瞬早く、鼻先が触れ合うほどの距離まで詰める。

――帰さない、って言っただろ?」
「………」

思わず息を呑んで、はそのまま硬直した。
確かに言われたが、ニュアンスが少し違う気がするのはの気のせいだろうか――









To be continued?

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